「まつげって何のために生えているの?」とか、抜けた地まつげを見てふと「自分のまつげは長いのか短いのか?」など、まつげについて気になる人も多いのではないでしょうか。他にも、まつげエクステをつける前に自分のイメージどおりのオーダーをするため、地まつげについて知りたいと考える人もいるでしょう。
一言で「まつげ」と言っても、長さだけでなく性質や生え方など、さまざまな特徴があります。長年、まつげを見続けてきたアイリスト(まつげの専門家)の私が、まつげの仕様についてまとめてみました。
まつげの特徴がわかると、自分のまつげは「平均と比べて長いのか短いのか」や、まつげ美容を選ぶ時に「自分の理想とするまつげに近づけるためには何を選べばいいのか」がわかります。
それでは、まつげの特徴とまつげとは一体どういうものなのかを見ていきましょう。
まつげには大切な役割がある
普段まつげの役目を考えることは、ほとんどの人があまりないと思います。人の体に備わっている一見なんの意味もなさそうな部位にも実はそれぞれに役割があり、何ひとつムダなものはありません。実際にまつげにも大切な機能があります。
まつげは目を守るためにある
たとえば、まつげがないと目の中に異物やほこりが入りやすくなります。まつげの本来の能力は、まつげにゴミや虫が触れた瞬間に反射的にまぶたを閉じて、目の中に異物が入るのを防ぐことです。つまり、まつげは目を守るために備わった必要な部分なのです。
以前、抗ガン剤でまつげをほとんど失った女性に出会ったことがあります。まつげがないので目にゴミが入って涙が出て困ると言われていました。それを聞いて普段はまつげで女性を美しくすることしか頭になかった私ですが、「まつげは生物にとってとても大切なものなんだな」と、機能としてのまつげの重要性を感じました。
まつげの特徴
まつげには人それぞれ特徴があります。ここではまつげの長さや本数、角度などの生え方について説明します。
まつげの長さと本数の平均
まつげの長さの平均は6.8mmです。まつげの長さはたった1mm違っても、イメージがずいぶんと変わります。そのため、まつげエクステでも1mm単位でイメージを作りあげます。
一般的にまつげの本数は、上まつげ片目100〜150本、下まつげ片目50〜75本と言われています。私が見てきた限りでは、少ない人で片目50本、多い人で片目100本くらいです。
まつげの本数が多いほど、ボリューム感が増して濃さがでるので、より美しい目もとになります。
まつげの生える角度は大きく分けて3パターン
目の形は本当に人それぞれで、まつげの生え方はとても個人差があります。細かく言えば色々あるのですが、大きく分けるとまつげの生える角度は下記3パターンに分かれます。
①もともと上がって生えている人
②やや下向き〜水平くらいの人
③下がって生えている人
日本人の生える角度の平均は80.9度(やや下向き)で、②のタイプが一番多いです。まつげを長年見続けてきた経験上、①と③のタイプの人はそれぞれ2割もいないと思われます。中には「自分のまつげが視界に入って邪魔だ」と言われるくらい下がって生えている人もいます。これは、そうでない人には予想もつかない悩みですね。
まつげは2〜3列で生えている
一見、まつげは一列に生えているように見えますが、まぶたの粘膜にそうように2、3列になって生えています。拡大して見ると、粘膜に近い列はより上向きで、粘膜に遠いほど下向きに生えていいます。
列によって生える角度が違うことで、目の中に異物が入るのをより防いでくれているのではないかと私は考えています。
まつげの性質
まつげは髪の毛と同じように毛質があります。ここでは、どういう状態が美しく健康的な毛質なのか、カールやクセなどについて説明します。
まつげは弱酸性が一番健康的な状態
人間の体の各部位には、酸性・アルカリ性があります。たとえば、お肌は弱酸性、血液は弱アルカリ性になります。髪の毛やまつげはアルカリに傾くほどダメージが大きく、弱酸性の状態が一番健康的でよい状態です。
弱酸性の毛は、毛の一番外側にある魚のうろこ状のキューティクルがキュッと閉まり、毛の中の成分を守ってくれるので、毛質は水分を弾く撥水性になり健康的でつやつやしています。逆に、毛がアルカリ性に傾くとキューティクルは開いてしまい、中の成分が流れ出てスカスカになってしまうので毛質はパサパサとした吸水性に変わってしまいます。
たとえば夏に海水浴のあと「髪がパサパサするな」と思った人は多いと思います。実は、海の水が弱アルカリ性ということが原因のひとつにあるのです。これは、アルカリ温泉にも同じことが言えます。
一方「ならば強い酸度を示す強酸性の方がいいのではないか」と思う人もいるかもしれません。実は、毛の酸度が強くなり過ぎるとキューティクルが閉じ過ぎてしまい、きしんでしまうのです。
つまり、まつげにとって一番いい状態は適度にキューティクルが閉じた状態の弱酸性になります。
まつげにもクセ毛がある
まつげは約1cm程度の世界なので、ほとんどの人はじっくり見ることがないと思います。ストレートに見える日本人のまつげも、よく見ると人によって個性があります。
ストレートやカール、1本の毛の途中から急にブーメランのように目尻側にカーブしていたり、生える向きが全体的に外(目尻側)に流れて生えていたりする人もいます。また、目尻だけ下がっていたり、目尻だけクルンとカールしていたりとクセのある人が多いのです。
まつげの太さに男女差はない?
まつげには男女の差はありません。一般的には、男性ホルモンが多い男性の方が女性よりも少し太さは太いと言われています。しかし、まつげは性ホルモンの影響を受けにくい毛です。
実際のところ、私は女性でもまつげの太い人をたくさん見てきているので、男女差というよりは、人種や個人差によるものの方が大きいと考えています。
まつげの世界はとてもバラエティに富んでいる!
まつげは人にとって異物から目を守る大切な部分ですが、特徴と性質があるのがおわかりになったと思います。健康的な状態は弱酸性で、長さや本数、クセや角度で見え方が変わり、それらの組み合わせで本当に色いろなパターンのまつげがあるのです。
自分のまつげはどういうまつげかを知ることで、理想のまつげに近づくにはどうすればいいのかがわかります。
「まつげの長さを出したいのなら美容液かまつげエクステ」、「ボリュームを出したいのならまつげエクステかサプリメント」、「下向きまつげを上げたいのならまつげパーマ」というように地まつげのタイプによって選ぶものが変わってきます。
まつげ美容を選ぶときに自分には何が必要なのか、ぜひ参考にしてみてくださいね。