まつげ美容液を探していると、口コミではどの製品を見てもよかった、悪かったと意見がバラバラで、「結局どれがいいの!」と、わからなくなってしまいますよね。
口コミの意見も、使う人によって求めている効果がそれぞれなので、評価が違うということもあったり感覚もさまざまだったりしてしまいます。
まつげ美容液は、配合されている成分によって目的が違います。
これを知れば、たくさんの商品の中から自分が求める目的に合ったまつげ美容液を探す基準(目安)を持つことができるようになるのです。
Contents
目的別でみる有効成分
「まつげ美容液」は、製品ごとに配合されている成分が違います。そして、配合されている成分によって目的とする効果が違います。
まつげ美容液に配合されている代表的な成分を、目的別にみていきましょう。
育毛成分
育毛には大きく分けて2つのアプローチがあります。「毛の長さを伸ばすこと」と、「毛を発毛させること」です。
それぞれに有効な成分を効能別に見ていきましょう。
まつげの伸びる期間(成長期)を延長する成分
- ビマトプロスト … 医薬成分で「まつげ育毛剤」に含まれている。
- デクロロ・ジヒドロキシ・ジフオロ・エチルクロプロスタノールアミド
- イソプロピルクロプロステネート
これらの成分が含まれていなければまつげを伸ばすことができないと言っても過言ではないです。これらの成分は、まつげの長さを伸ばすだけでなく、発毛にも働きかけます。
ビマトプロストは医薬品なので基本的には病院でしか買えず、一般に売られているまつげ美容液には含まれていません。薬は一定の効果が保証されているぶん、副作用とは切っても切れない関係です。長期間の使用は注意が必要になります。
まつげの成長速度を高めて長くする成分
- ナツメ果実エキス
- フラーレン … 毛の成長速度を約1.2倍に。紫外線からまつげを守る。ビタミンCの172倍の抗酸化力をもつ。
まつげは成長速度が速いほど長くなります。ナツメ果実エキスは天然の成分のため、その効果はゆるやかでしょう。
長さ重視の人は上記の成分が配合されているものを選びましょう。
まつげを発毛させる成分
- キャピシル … 毛包周りのタンパク質を活性化して毛を抜けにくくする。キャピシルに含まれるアセチルテトラペプチド-3が、毛を作る毛母細胞を修復し発毛させる。
- グロスファクター(GF) … 細胞の成長因子。細胞の生まれ変わりを促し、乱れた発毛サイクルを正常にすることで、休止期の毛母細胞(毛を生む細胞)を活動させ、毛周期を早める。
- オクタペプチド-2(プロヘアリン β4) … 8つのアミノ酸で合成されるペプチドで、再生医療で注目されている肝細胞に働きかけるグロースファクターの1つ。発毛の「もと」となる毛包幹細胞と、まつげの色を作りだす色素幹細胞がある「バルジ領域」に働きかけそれぞれの細胞を活性化させ、まつげを作る毛母細胞と色素を生みだし、発毛や白髪の予防・改善も期待できる。弱ったまつげの人は必見。
間違ったまつげ美容で「まつげが抜けてしまったり、負担をかけ過ぎてしまったりしてスカスカになった」、「年齢とともにまつげの本数が少なくなった」と感じている人は注目の成分です。
量を重視している人は上記の成分を確認しましょう。
ハリコシ(強度・弾力)
ハリコしを与えるとは、「これから健康的なまつげを作ること」と「すでにある傷んだまつげを修復すること」の2つの方法があります。
具体的には、「健康的なまつげを生成する」とは、まぶたの血行を促進してまつげを作る細胞に栄養を与え働きを活発にすること。
もう1つの「今生えているまつげの修復」には、補修してくれる成分を与えてトリートメントすることが必要になります。
ハリ・コシのある健康的なまつげを保つのに良いとされているのは、以下のような成分です。
複合的な効果がある成分
- オタネニンジン根エキス …主成分のジンセノサイド(サポニン) が、まぶたの血行を促進し、毛母細胞での細胞分裂(新陳代謝)を高める。休止期を遅らせることで脱毛を予防して、まつげの生え変わりをサポート。また、保湿効果や抗酸化作用もあり、まつげにうるおいを与えて切れやすくなるのを防いでくれる。
- パンテノール … ビタミンのB群一種。毛母細胞に働きかけ、新陳代謝を高めて、まつげの成長を促す。 保湿効果もあり、ダメージを修復し、抜け毛や白髪を予防。さらに、育毛にとって大敵なストレスへの抗体を作ってくれる。
- ビオチノイルトリペプチド-1 … ビオチンとトリペプチド-1の合成成分。ケラチノサイトの増殖を促進し、まつげに栄養とハリコシを与え、強く健やかに保つ。
- セイヨウイラクサ … 鉄分が多く、フラボノイドも含まれている。まつげに必要な栄養を与えて成長を促進。
- 褐藻エキス(海藻エキス) … ワカメやコンブ、ヒジキなどの海藻から得られる成分。まつげの生成に必要な成長ホルモンの分泌を促進して毛を育てる。高い保湿効果でまつげをみずみずしく艶やかに。代謝を高める成分や血行を良くする成分など様々な有効成分が含まれている。
- センブリエキス … 毛乳頭細胞の活性と血行を促進して、毛の生産を助ける。抗酸化作用があり、老化の原因となる活性酸素をおさえ、まつげの若さを保つ。さらに、保湿作用もあり。
- アロエベラエキス … 有機酸やビタミン・ミネラル、ムコ多糖類など沢山の栄養素が含まれていて、細胞同士の結びつきを強くし、弱ったまつげをしっかりとした潤いのあるまつげに育てる。お肌の生まれ変わりを促進し、コラーゲンの生成を助けることで、まつげの生える環境をサポート。
- アセチルデカペプチド-3 … FGF様物質。毛細血管の増殖作用と分化促進作用があり、血流を良くする。さらに、繊維芽細胞を活性化しコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸を生成し、まつげの生える環境を整える。
- オリゴペプチド-20 … IGF様物質。老廃物を除去し傷んだ細胞を修復。コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸を増やす。
- オリゴペプチド-24 … EGF様物質。加齢によって減少した表皮細胞の分裂・再生を正常化して新陳代謝を活発に。
- オリゴペプチド-41(ケラミン1) … KGF様物質。発毛環境を整える。毛の成分であるケラチンを増殖し、しっかりと強いまつげを育てる。
*ペプチド … アミノ酸の集合体で有効成分がお肌へ浸透するよう吸収率を高め、まつげに弾力とハリを与えます。
1つの成分でたくさんの効能がある成分があり、ハリコシを多方面からサポートします。
血行を良くする
- ビオチン … 別名ビタミンB7。不足すると毛・爪・肌に潤いがなくなり、脱毛や白髪が増える。血流をよくし、新陳代謝を高めてくれるので、ハリ・コシ・ツヤのある、太く健康なまつげを保つ。
- 酢酸トコフェロール … ビタミンEの誘導体。抹消血管拡張作用、血行促進作用があり、まつげの脱毛を防ぐなどの効果が期待できる。 抗酸化作用や酸化防止剤としても配合。
- イチョウ葉エキス … 血行を促進して毛細血管を拡張。
- ブドウ種子エキス … 血管・毛細血管の強化をし、毛周期を正常に保つ働きがある。プロアントシアニジンという成分が、ビタミンCの20倍、ビタミンEの40倍と言われる強い抗酸化力をもつ「ポリフェノールの王様」。
血行を促進することで血液循環量を増やし、まつげを作る毛母細胞へ酸素や栄養がすみずみまで届きます。そのため、細胞分裂が活性化して健康的なまつげを作ることができます。
ホルモンバランスを整える
- 褐藻エキス(海藻エキス)
- ビターオレンジ果皮エキス … ホルモンバランスを整えてまつげの毛周期を正しく保つ。
ホルモンバランスの乱れは健康的なまつげの生産を妨げます。特に妊娠中はまつげが薄くなる人がいるので、これらの成分でホルモンバランスを整えましょう。
まつげに栄養を与えてハリコシあるまつげを作るため、たくさんの天然由来エキスやペプチドが使われています。
痛んだまつげを修復する成分
- オタネニンジン根エキス
- パンテノール
- ケラチン … まつげの主成分。傷んだ毛を補修して、ハリコシを与える。
- 加水分解シルク(シルクアミノ酸) … 傷んだまつげを補修。 他にも保湿効果、皮膜形成効果があり。高価な成分。
傷んだまつげを補修してトリートメントします。
今生えているまつげが切れやすかったり元気がない場合は、これらの成分でケアしましょう。
保湿・ツヤ(水分量)
まつげに潤いを与えると、みずみずしくツヤやかに。を与える保湿成分には、以下のようなものがあります。
保湿・保水成分
- グリセリン … 保湿剤。化粧品の基剤として使われることが多い。
- ヒアルロン酸 … 1gあたり6リットルもの水分をたくわえることができる。
- ポリクオタニウム-51 … ヒアルロン酸の2倍の保湿力を持つ水溶性ポリマー。まつげのキューティクルを保護し、まつげを乾燥や刺激から守る。
- コラーゲン … 保湿効果。
- BG … 保湿剤。植物エキスの抽出剤。抗菌剤としても。
- セイヨウナシエキス … 保湿効果。軽いピーリング作用があり、お肌の生まれ変わりを助ける。
- セイヨウサンザシ果実エキス … 保湿効果。抗炎症作用もあり。
- カニナバラ果実エキス … 保湿剤。
- トレハロース … 水分を保持してまつげを保護する。
- グルコシルセラミド … 角質細胞どうしを密着させて、お肌の保湿・水分保持効果とバリア機能の強化、改善をする。
上記のように、保湿成分にもそれぞれ違う特性があります。
まつげは乾燥すると傷んでしまうので、保湿成分も多く使われています。
目元のお肌(まぶた)ケア
整肌成分
- グロースファクター(GF) … 成長因子。まつげの生えている目元の肌を修復する。年齢とともに減少するため、補ってあげるとよい。
- EGF … 上皮細胞増殖因子。表皮のターンオーバーを活発にして正常化。
- FGF … 線維芽細胞増殖因子。繊維芽細胞を活性させ、コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸を生成。毛細血管を増やして分化し血行促進。
- IGF … インシュリン様増殖因子。ダメージを受けた細胞を修復したり、老廃物を捨てたりする。毛根に作用して、毛の成長を助ける。コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸を生成する。
- プラセンタ … 細胞の生まれ変わりを促進。コラーゲンやヒアルロン酸の生成を助け、まつげの生える環境を整える。
- ビルベリーエキス … コラーゲンを保護する働きがある。目元ケアに。
- カプロオイルテトラペプチド-3 … HGF様物質。表皮と真皮の間にある基底膜を保護する。基底膜は真皮層のコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を紫外線などの外的刺激や老化から守り、ダメージを修復する。
- アセチルテトラペプチド-5 … 血液・リンパの循環をよくし、目の下のクマ、たるみ、アイバックの縮小が期待できる。
- アセチルヘキサペプチド-8(アルジルリン) … 「塗るボトックス」といわれている。表情筋の緊張をやわらげて、表情ジワや、目の下の脂肪のたるみを改善。
- ハマメリス葉エキス … 高い収斂効果と消炎効果を持つ。お肌を引き締めてキメを整える。
まぶたのコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の生成を助けたり、目元のしわ、くすみ、たるみを改善し、目元をふっくらさせることで、若々しく魅力的な目元を作ることができます。
まぶたのケアができる成分が入っている製品は、まぶたを健康にすることでまつげの生成を助けながら、まつげの映える目元になるようにケアできて一石二鳥です。
その他
角質除去
- サリチル酸シランジオール … ピーリング剤。殺菌作用、防腐作用もあり。爽快性付与剤。
- パパイヤ果実エキス … タンパク質分解酵素で、古い角質を取りのぞくピーリング作用がある。
代謝不良によって溜まった皮膚の角質を取り除き、そのほかの有効成分を浸透しやすくする。角質のたまっていない健康な皮膚の人は炎症が起こる可能性があるので注意が必要です。
香料
- ラベンダー花エキス … 芳香成分。殺菌、抗菌作用や抗炎症作用もあり。
防腐剤・抗菌剤・抗酸化剤
- ペンチレングリコール・・・パラベンなどの防腐剤の配合量を低減した製品などに配合されます。パラベンのと組み合わせると、防腐剤の量を減らせてさらに防腐効果を高めてくれる相乗効果がある。保湿剤としても使用され、グリセリンよりさっぱりとした使い心地に。
- 酸化銀 … 殺菌・防腐剤。
- チャ葉エキス … 消炎作用、殺菌・抗菌作用、収れん作用、保湿作用・酸化防止作用などたくさんの効能がある。
まつげ美容液には必ず何らかの防腐剤が含まれています。毎日使うものということを考えると、個人的には副作用のある酸化銀はおすすめしません。
充填剤
- ホウケイ酸(Ca/Na) … 充填剤。光沢感を出す。
充填剤は、配合したまつげ美容液の成分の効果を薄めることなく増量することができます。
ph調整剤
- 水酸化K … pH調整剤
人の肌のph5〜6の弱酸性に調整するために配合されます。phは、弱酸性から離れるほどお肌に刺激になります。
まとめ
まつげ美容液は、配合されている成分によって効果が違います。長さが欲しいのか、量が欲しいのか、ハリコシが欲しいのかで選ばなければならないまつげ美容液が変わってくるのです。
まず自分がまつげ美容液を使う目的は何なのかを明確にしましょう。そして、その目的にあった成分が配合されてる製品を選べば、期待する効果を得ることができます。
「まつげを伸ばしたいと思ってまつげ美容液を毎日せっせと使ったのに伸びなかった。」と言うことがないように、成分はしっかり確認したほうがよいでしょう。
それぞれのまつげ美容液の特性を知るために、成分をチェックしてみてくださいね。